物価上昇により出費が増えるなか、治療費が家計を圧迫することをおそれて虫歯の治療を後回しにしていませんか?
「歯に黒ずみがあるけど、痛みがないから放置しよう」
「冷たいものがしみる気がするけど、まだ歯医者に行かなくていいかな」
このように考えている人も少なくないでしょう。
虫歯の治療は早い方が治療費を抑えられますし、なにより歯の寿命を延ばすことにもつながります。
可能な限り、早くに治療を受けたほうがよいでしょう。
しかし、手持ちの現金がないときはどうすればよいのでしょうか。
この記事では、虫歯の治療費を払えない場合の対処法、治療費を抑える方法について解説します。 ※申込み時間や審査によって希望に添えない場合があります。「プロミス」
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歯医者の治療費が払えない!状況別に対策を紹介
虫歯は、進行するほど治療に時間とお金がかかります。
「治療費が払えないから歯医者に行けない」という人もいるでしょう。
そんなときはどうすればよいのでしょうか。
収入の状況別に解説します。
ローンを組める程度に収入がある場合
手持ちのお金や貯蓄がないものの、ローンを組める程度に安定した収入がある人は、デンタルローンやカードローンでお金を借りて歯の治療費を支払うことが可能です。
デンタルローンは、歯科治療費専用のローンです。
保険適用外の歯科治療(自由診療)であるインプラント治療やセラミック治療などで利用できます。
また、クレジットカードを持っていれば、クレジットカード決済で歯の治療費を後払いしてもよいでしょう。
しかし、デンタルローンやクレジットカード決済は、対応している歯医者と対応していない歯医者があります。
デンタルローンやクレジットカード決済の利用を検討しているときは、事前にそれらに対応しているか歯医者に確認しておきましょう。
手持ちのお金も収入もほとんどない場合
手持ちのお金や貯蓄がなく収入もほとんどない場合は、国の制度を利用しましょう。
治療費を払えないほど困窮している場合、無料低額診療事業や生活保護を利用できる可能性があります。
無料低額診療事業とは、生計困難者が無料または低額な料金で診療を受けられる事業です。
すべての歯医者でこの事業を利用できるわけではなく、事業を実施している歯医者で事業の利用が可能です。
生活保護を受給する条件に該当するなら、生活保護を受給して原則無料で治療を受けてもよいでしょう。
ただし、受けられる治療は保険診療のみです。
無料で治療を受けるには、福祉事務所で医療券を受け取り、それを指定医療機関に持参する必要があります。
歯の治療は早期に行うことが、経済的にも歯を残すためにも望ましいものです。
「無料で治療を受けるなんて申し訳ない」「制度を利用するのは恥ずかしい」などと思わずに、国の制度を利用して早めに治療を受けましょう。
歯医者の治療費は基本的には保険診療
歯医者での治療には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
歯の治療の基礎知識と進行度別の治療費の目安について解説します。
保険適用外になると高額になることも
歯に痛みや違和感があっても、「歯の治療はお金がかかる」と二の足を踏んでしまいがちです。
しかし、歯科治療の多くは公的医療保険制度の適用となる保険診療です。
保険診療の場合、自己負担額は治療費の1割から3割であるため、経済的負担が軽く済みます。
だからこそ、歯の治療は早期に受けることをおすすめします。
虫歯は、進行するほど治療費がかかります。
長い目で見て治療費を抑えるには、早めの治療が大切です。
保険診療の診療報酬は全国一律で、保険診療を行っている歯医者ならどこで治療を受けても治療費に差はありません。
ただし、保険診療には治療方法や使用できる歯科材料、薬材などに規定があり、保険診療の歯科治療が最善の方法ではないこともあります。
歯科治療には公的医療保険制度が適用とならない自費診療があり、自費診療の治療費は高額です。
ジルコニアを使用したかぶせものやインプラントの場合、1つあたり数十万円以上かかることも珍しくありません。
自費診療の治療費は歯医者によって異なります。
【歯科治療における保険診療と自費診療の例】
保険診療 | 虫歯治療 |
根管治療(歯の中の神経まで虫歯になってしまったときの治療) | |
歯周病治療 | |
抜歯 | |
つめもの・かぶせもの 例:コンポジット(CR)・銀合金など | |
入れ歯(有床義歯) | |
自費診療 | 7つめもの・かぶせもの(保険適用外の歯科材料) 例:ジルコニア・オールセラミック・メタルボンド・金合金など |
ホワイトニング(色素沈着の除去) | |
審美目的の矯正治療 | |
インプラント治療 | |
入れ歯(保険適用外の歯科材料) |
歯医者での治療費はいくらかかる?
保険診療の場合、歯医者ではどのくらい治療費がかかるのでしょうか。
治療費の目安を紹介します。
虫歯治療の場合
虫歯治療にかかる治療費の目安(3割負担の場合)は以下の通りです。
初診料など:3,000円~5,000円
初期:1,500円〜 3,000円
中度:2,000円〜10,000円
重度:7,000円〜20,000円
初めて診察を受けるとき(または前回来院日から3カ月経過した場合)には、初診料がかかります。
そして、初診時にはレントゲン撮影や歯ぐきの検査などの費用もかかります。
そのため、初回時には3,000円から5,000円程度の費用がかかると考えてよいでしょう。
初期の虫歯(歯表面のエナメル質が溶け、黒ずんでいる状態)であれば、虫歯の部分を削り取り、レジン(歯科用プラスチック)をつめます。
その場合、治療費の目安は1,500円〜 3,000円です。
中度の虫歯(歯の象牙質まで虫歯が進行した状態)であれば、虫歯の部分を削って型を取り、インレー(部分的なつめもの)をします。
その場合、治療費の目安は2,000円〜10,000円です。
重度の虫歯(神経まで虫歯が進行した状態)であれば、歯の神経を抜き、根管(神経が入っていた管)の内部を消毒する根管治療を行います。
根管治療が終わったら歯の型取りをして、クラウン(かぶせもの)をかぶせます。
その場合、治療費の目安は7,000円〜20,000円です。
歯を抜く場合
虫歯が進行し、歯のほとんどが溶けてなくなり歯の根っこまで虫歯になっているときには抜歯が必要になります。
抜歯の治療費の目安は、1,500円〜7,000円です(歯の位置や抜歯の難易度で費用が変わります)。
抜歯後、その部分を放置すると歯並びや噛み合わせに影響が出るため、ブリッジや部分入れ歯、インプラント治療など歯を補う治療を行います。
治療名 | 治療費の目安 |
---|---|
ブリッジ | 10,000~20,000円 |
部分入れ歯 | 5,000~10,000円 |
インプラント治療(自費診療) | 1本あたり200,000円~400,000円 |
歯医者の治療費を払えない場合の対処法
歯の治療は、原則として診察したその日のうちに支払います。
多くの歯医者では、手持ちの現金がなかったとしたら、銀行に行って口座からお金を引き出すなどして当日中に治療費を支払うように求められるでしょう。
では、歯の治療費を払う現金がない場合はどうすればよいのでしょうか。
いくつかの対処法をご紹介します。
歯医者に相談する
手持ちのお金がない場合は、歯医者で診察を受ける前にその旨について相談してみてください。
相談は、予約するときか来院して受付するタイミングがよいでしょう。
治療費の支払を猶予してくれるかどうかは歯医者次第ですが、次回診療時や給料日、ボーナスの支給日まで支払を待ってくれるケースがあります。
それ以外にも、治療費の分割払いに応じてくれるケースもあります。
ただし、これらの対応は歯医者の厚意によるものです。
基本的に、現金支払いの治療費を後払いしたり分割払いしたりすることはできません。
家族や友人に相談してお金を借りる
家族や友人からお金を借りる手もあるでしょう。
無利子でお金を借りられる可能性があります。
しかし、この方法には注意が必要です。
なぜなら、身近な人と金銭トラブルを起こせば、人間関係のトラブルにもなりかねないからです。
身近な人からお金を借りるときは、関係性を悪化させたり相手の信用を失わせたりしないよう注意しましょう。
返済期日などについてまとめた借用書を作成したり、借りたお金を速やかに返したりするなどトラブルを防ぐ対策をとることをおすすめします。
無料低額診療事業を利用する
手持ちのお金や貯蓄がなく収入もほとんどない場合は、無料低額診療事業を利用しましょう。
無料低額診療事業とは、生計困難者が無料または低額な料金で診療を受けられる事業のことです。
生計困難者とは、以下に該当する方を指します。
- 低所得者
- 生活保護を必要とする状態にある方
- ホームレス
- DVの被害者 など
無料低額診療事業を利用したい場合は、無料低額診療制度に対応している医療機関や社会福祉協議会、福祉事務所などに相談しましょう。
各都道府県庁のホームページなどで事業に参画している医療機関の一覧が公表されています。
クレジットカードを利用する
クレジットカードを持っているなら、クレジットカード決済を利用しましょう。
クレジットカード決済をした場合、利用限度額内であれば、クレジットカード会社が利用者に代わって利用店舗に料金を支払います。
そしてクレジットカード会社は後から利用者に料金の請求を行います。
そのためクレジットカード決済なら、料金の支払いに1ヵ月ほど猶予を設けることが可能です。
クレジットカードを利用する場合は支払日までに収入を得て、料金の支払ができるようにしましょう。
もし、料金が高額なために一括で支払うのが難しければ、分割払いをするとよいでしょう。
気をつけたいのは、クレジットカード決済に対応していない歯医者があるということです。
あらかじめ歯医者に対応している決済方法について確認しておきましょう。
また、3回以上の分割払いは手数料がかかることも覚えておきましょう。
デンタルローンを利用する
自費診療の治療費なら、デンタルローンで支払うことを検討してもよいでしょう。
デンタルローンとは、銀行や信販会社が提供している歯科治療費専用のローンです。
自費診療が対象で、提携先の歯医者でローンに申込み、審査に通ることで利用できます。
デンタルローンの特徴は以下の通りです。
- 自費診療が対象になる
- 数回から数百回まで分割できる
- 金利・手数料がかかる
- カードローンに比べて金利が低い(5.0%程度)
- 利用は原則として1回で、追加借入れはできない
- デンタルローンに対応していない歯医者もある
- 融資までは1週間以上かかることもある
- 非正規雇用の場合は保証人が必要になることがある
自費診療で高価な歯科材料のつめものやかぶせものをつけたり、インプラント治療をしたりしたいものの、お金をすぐには工面できないときには、デンタルローンの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
カードローンを利用する
一定の収入がある方はカードローンでお金を借りて、そのお金で治療費を支払ってもよいでしょう。
カードローンとは、消費者金融や信販会社といった貸金業者や銀行の個人向けローンサービスです。
カードローンの利用用途は自由であるため、歯の治療費にも利用できます。
ただし、カードローンの利用にも審査が必要です。
カードローンの特徴は以下の通りです。
- 融資までの時間が短い(最短で即日融資)
- 手続きが容易である(Web完結できるサービスも多い)
- 利用限度額の範囲内で追加借入れができる
- デンタルローンより金利が高い(18.0%程度)
自費診療で治療費が非常に高額になり返済にも時間がかかる場合にはデンタルローンを用い、保険診療またはすぐに返済できる程度の自費診療を受ける場合にカードローンを用いるといった具合に使い分けましょう。
一部の消費者金融業者のカードローンには、初回利用などの所定の条件を満たすことで、無利息期間が付与されるものがあります。
無利息期間を上手に活用すれば、無利息でローンを利用できます。
歯医者の治療費を抑える方法
多くの人ができるだけ治療費を抑えたいと考えるでしょう。
歯の治療費を抑えたいときは、どうすればよいのでしょうか。
歯に違和感があったら早めに歯医者を受診する
虫歯は進行するほど治療費がかさみます。
また、虫歯は自然治癒するものではありません。
よって、できるだけ早期に治療を受けることが大切です。
可能であれば定期的に健診を受け、虫歯予防に取り組むことをおすすめします。
定期健診にも費用はかかりますが、虫歯が悪化してから治療を受けるよりも費用を抑えることが可能です。
定期健診は、歯の寿命を延ばすことにもつながります。
治療目的や範囲を明確にして診療してもらう
治療費を抑えたいときには、カウンセリング時にその旨を歯科医師や歯科衛生士に伝えましょう。
そうすれば、可能な限り費用を抑えられるように配慮してもらえます。
また、緊急を要する場所のみを治療してもらうことも可能です。
どこをどの程度まで治療してほしいか、治療範囲や治療目的を明確にしておきましょう。
保険診療であれば経済的負担は少ないですが、保険診療には治療方法や使用できる歯科材料、薬材などに規定があります。
そのため保険診療の歯科治療が最善の方法ではないことがあります。
より良い治療を受けたいなら、お金がかかっても自費診療を検討しましょう。
医療費控除を利用する
高額な医療費の支払いがあったときは、確定申告の医療費控除で還付を受けましょう。
医療費控除は、(保険金などで補填される金額を差し引いたうえで)1年間で10万円(所得金額が200万円未満の場合は所得金額の5%)以上の医療費を支払った場合に、確定申告をすることで控除が受けられる制度です。
医療費控除の上限額は200万円です。
医療費控除の対象となるのは、以下の費用です。
- 診療費や治療費
- 処方箋で購入した医薬品の購入費用
- 通院費
- 生計を一にする配偶者や親族の診療費等 など
機能回復・症状改善を目的とした歯の治療に伴う一般的な費用(インプラント治療など)は医療費控除の対象となりますが、審美性向上を目的とした費用(ホワイトニングなど)は対象外です。
また、公共交通機関が利用できない場合を除いて、タクシー代は医療費控除の対象にはなりません。
自家用車で通院する場合、ガソリン代や駐車場の料金も医療費控除の対象外です。
高額医療制度を利用する
高額な医療費を支払ったときは、高額療養費制度により払い戻しが受けられます。
高額療養費制度とは、医療機関や薬局で支払った金額が同一月(月初から月末まで)で自己負担限度額を超えた場合に、超過分を払い戻す制度です。
自己負担限度額は年齢および所得状況などにより異なります。
世帯内で医療費の合算も可能です。
例えば、70歳未満かつ年収が約370万円から約770万円(3割負担)で、総医療費が100万円、窓口負担が30万円の場合、自己負担限度額は「80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円」となります。
窓口負担と自己負担限度額の差額である212,570円が払い戻されます。
あらかじめ医療費が高額になることがわかっている場合には、限度額適用認定証を提示する方法が便利です。
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